MXR Distortion Plus Mod のあれこれ (1)

これまでいろいろな「xxxx MODのあれこれ」ご紹介してきました♪今回で取りあえず本シリーズはしばらくはないかもしれませんが、再度Premium GuitarのBrian Wampler氏の記事になります。エフェクターはディストーションの元祖というべきMXR Distortion+で、より大音量かつ良さげなMODです♪

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大昔は、MXR Distortion+が現れる迄は長い間ディストーションは今よりもずっと限られていました。その当時の70年代後半にMXRはシンプルかつ、ハードなクリッピング機材を「Distortion+」としてリリースしました。特にRandy Rhoads氏はさらなる歪みを求めるためこの「MXR Distortion+」を使っていますが、その一方で、この「MXR Distortion+」がRandy氏のトーンの鍵とするような間違った噂も広まってしまいました(厳密に言うと彼は彼のアンプも改造していましたので)。

で、実はいろんなバージョンの回路がありますので、ちょっとそこら辺からお話を始めたいと思います。そして色々な「あれこれ」のMODがこの「MXR Distortion+」では考えられていますです。

こちらがノーマルな回路になります:


プラグから入った信号は、まずキャパシタC1,C2に入ります。このキャパシタC1はローパス・フィルタになっていてクリッピングする前にハイをGNDに逃がします。キャパシタC2は主にミッド~ハイをクリッピング部に通過させて送り出します。 抵抗R1は一部オペアンプに入るのを制限し、抵抗R5はそのオペアンプのバイアスを決めます。

抵抗R4、キャパシタC3、抵抗R2, R3は、こちら「エフェクタの回路設計について(2) 更新」にあるように、昔からあるオペアンプでの非反転によるブースト&クリッピングを用いた周波数およびゲインの制御を行うものになります。抵抗R3はゲインコントロールのためにあると同時に、設定に応じトーンも変えることができます。これは同時にオペアンプの周波数レスポンスを変えるためですね。

ちなみに、このゲインコントロールによると最大のゲインでは723Hz以上の周波数のみをクリップすることになります。これが何故ゲインを上げると(中域の一番肝心な)音の厚みが減るのかの理由になっています。また逆に、ずっと小さな最小のゲインでは(3.4Hz以上の)ほぼ全ての周波数をブーストおよびクリップすることになります。これもまた何故ゲインが低い時に曇っていてクリアでないのかの理由になっています。

その理由がどうしてかをもう少し深く理解するためには、ここ「グラフィックEQの周波数の計算方法について」に書かれた下記の周波数帯域の説明と見比べて自分で考えてみて下さい。

~50Hz 低音の振動に近い帯域。ほとんど耳には聞こえないが、下げすぎると迫力に欠け、上げすぎると圧迫感が出る。
50Hz~80Hz 音に重みを出す帯域。強すぎると透明度がなくなる。
80Hz~250Hz 低音の輪郭を出す帯域。下げすぎると低音がぼやけてしまう。
250Hz~500KHz 中音域の安定感を担う帯域。下げすぎると薄っぺらな印象を与えてしまう。
500Hz~800Hz 中音域のアタック間を出す帯域。音域のほぼ中心で芯になる。
800Hz~5KHz 中音域の高いアタック間を出す帯域。人間が一番聞き取りやすく、下げすぎるとシャープさを失う。
5KHz~10KHz 金属的なシャリシャリ感を出す帯域。下げすぎると鮮やかさを失う。
10KHz~ 華やかさを出すのに必要な帯域。ほとんど耳には聞こえないので、少なめでもあまり不自然さを感じない。

ブーストされた信号は、キャパシタC4、そして抵抗R6を通って通り抜け出て行きます。そしてダイオードD1, D2はハードクリッピングの方法を用いてクリップしながら、キャパシタC5はR6の組み合わせでローパスフィルターとして15.9kHz以上を6db程(人間の耳にはそれ程には分からないレベルですが)フィルタリングしていきます。

というのも、ここでのフィルタリングの目的は実は奇数倍音の余計なトーンやノイズの一部を減らすためだからなんです♪ここでももう少し工夫して、C5を0.0022ufと100kΩポットの直列接続にしてやるとトーン制御としてかなり良さげなトーンコントロール部になります♪

ダイオードD1, D2は1n34a型のゲルマダイオードでした(その当時は)。これによりファズっぽいコンプレッション感のあるトーンとなり、クリッピングされてしまうと音量はそれ程大きいものとはなりませんでした。で、その後は10kΩポット(ボーリューム・ポット)を介して出力されていきます。DODのOD250やYJM308の回路はほぼこの「MXR Distortion+」と同じものになりますが、これらDODにも本MODは同様に適用可能です。

こちらが、MXR Distortion+でお薦めのMOD内容:
  • C2(0.001uf)にSPSTスイッチを介して0.01ufをパラ接続します。このスイッチにより、コンプレッション・モードの機能をつけます。
    コンプレッション大/小、または滑らか/抜けのよい的なトーンとなります。もっと効きをよくするためには0.01ufを0.047uf位にしてもいいかも。

  • C3(0.22uf)にSPSTスイッチを介して0.33ufをパラ接続します。このスイッチにより、バス・モードの機能をつけます。

  • 抵抗R2, キャパシタC3を1kΩ/0.22ufへ。これによりハイゲインの周波数レスポンスは維持したまま、さらにゲインを増すことができるようになります。

  • 抵抗R4を1MΩポット(Aカーブ/オーディオ・テーパー)へ。これによりゲイン調節により良さげなレスポンスのポイントを探すことができます。

  • 抵抗R4にSPSTスイッチを介してダイオードをパラ接続します。例えば、ダイオード1n34a+1n4001の直列接続ペアを接続した例を紹介しています。

  • ダイオードD1, D2をダイオード1n34a+1n4001の直列接続ペアへ変更。これによりより出力ボーリュームが上がると同時に、ダイナミックスも改善されます。

  • キャパシタC5を0.0022uf+1MΩポット(Aカーブ/オーディオ・テーパー)の直列接続へ。これによりトーンを制御できます。

※1n34aはトレブリー過ぎるため、その後のスレッドでは1n100か1n270を使うのが吉とありました。

こちらが、MXR Distortion+ MODの回路:


本MODはより音量がアップすると同時に、太っとい、良さげなディストーションorオーバードライブ・サウンドになります。ただ、全てのMOD内容が必要ではないので自分が必要か、必要でないか試しながら自分用のMODを取捨選択してみてくださいね♪(私個人的には全てのMODはやり過ぎ(too much)なので個人の嗜好に是非あわせて「あれこれ」考えてくださいね♪)

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