TS(Tube Screamer) のUltimate Tube Screamer MOD/改造

さて今日はそろそろというか、古くはSantana、Stevie Ray Vaughanと使ってきたTS(Tube Screamer)です。最初の始まりはRobert KeeleyAnalogmanが現行TSをビンテージのオリジナル808仕様に変更するMOD/改造をやりだしたことに端を発し、これ迄既に色々なバリエーションが紹介されています。

ですので、敢えて外してきたTS(Tube Screamer)ですが、ちょっとお馴染みPremier Guitarの2007年頃の少し古いDirk Wacker氏の記事The Ultimate Tube Screamer Mod Guideから、ダイジェストでUltimate MOD/究極の改造をギュッと濃縮してご紹介します♪ざっと復習する感じで軽く見ていってください~結構今読んでも最後のDirk Wacker氏自身によるSteroids MODだけでも何か得るところがある内容と思っています♪

Guitar effects pedals - ts9 - ts808 - ts10 by ibanez


Vintage TS-808, The Holy Grail!!!


Ibanez後期仕様のMOD/改造
ご存知80年代前半のオリジナル808は生産中止され、今はそのリイシューが入手できるだけです。皆さんもご存知のように(TS808 -> TS-9 -> TS10 -> TS5 -> TS-9 第1版リイシュー -> TS-9 第2版レイシューの歴史の流れの中で)Ibanezの種々のTSシリーズ/仕様は出力部の2つの抵抗を変更する(しかもNOSカーボンコンポジット抵抗を用いる)「Tubescreamer 808」MOD/改造によって全てこのオリジナル808に変更可能です(その他に艶ありJRC4558Dへの変更や、幾つかのトランジスタへの変更もよく知られていますが):

TS5 (サウンドタンク・シリーズ): R34 = 100Ω, R35 = 10kΩ
TS7 (トーンロック・シリーズ): R55 = 100Ω, R58 = 10KΩ
TS9/TS9 DX/TS808リイシュー: R15 = 100Ω, R13 = 10kΩ

TS10 MOD/改造
それでは、TS10はどうでしょうか?これはちょっとマイナーで、ちょっと808 MODは面倒です。ただ、実は初期のTS10はオリジナル808と同じオペアンプ(艶ありJRC4558D)が使われていますので、これをMOD/改造をすればより完璧な仕様にできることもよく知られています。

1. R40(10k) →R39(1K)側の脚と、キャパシタC15のトランジスタQ6側の脚をジャンパー(結線)
2. トランジスタQ6除去
3. 出力ソケットにキャパシタ10uFを介して繋がるR21(470Ω) -> 100Ω
4. R22 (100k) -> 10k
5. R6とC11をショート
6. R17除去
7. 最初のトランジスタより前の入力部は抵抗510Kによって+4.5Vにバイアスされている。これを抵抗R2と、抵抗R3を除去し、何も繋がってない方の抵抗510Kの脚を4.5Vに接続する。

オリジナル808の仕様
オリジナルのTube Screamer 808は艶ありのJRC4558Dのオペアンプです。これは思ったほど大きな違いでないという人もいますが、そこのところは各自の耳で確かめてみてください。確かに違いは現れます(艶ありJRC5448Dを探すヒントはこちら「Andreas Möller's Webpage」へ)。ここでは、もう少し違った自分好みのトーンを見つけるために下記のICを試めして見てください♪

JRC4558D(現行品)  - オリジナル808の後継品。RC4558Pよりスムーズ。
JRC4558DD  - JRC4558D(現行品)のハイゲイン版
RC4558P  - 米国TI社のオペアンプ。音的には暖かく、柔らかいが、現行JRC4558Dより荒々しい。Keeley氏が最初に選択したオペアンプ
RC4558(一般)  - RC4558のクローン。TI製より鋭い感じの音
RC4559  - 多くの高級オーディオプリアンプで使用されている。高性能なデュアルOPアンプ
LM833N  - 低ノイズのデュアルOPアンプ。TS系で評判のよいOPアンプ
MC1458  - 低ノイズでJRC4558DとTI RC4558Pを足して2で割った感じ
TL072  - 様々なTSクローンで使われているOPアンプ
TL072IP  - TL072の低ノイズ版、よりハイファイな音
TLC2272  - 広いダイナミックレンジと、高い駆動能力
NE5532AB  - 低ひずみ、高スルーレートのオーディオOPアンプ
NE5532AP  - 超低ひずみ、高スルーレートのオーディオOPアンプ
Burr Brown
2134, 2234
  - 非常に透明で澄んだオーディオマニアOPアンプ


Tube Screamer Steroids MOD
最後に、Dirk Wacker氏によるSteroids MODのご紹介です。これは「非対称クリッピング」によるMODになっていおり、抜けがよく、より荒々しいのが特徴ですね。

一般に「対称クリッピング」は、いくぶんハードで、荒々しく、刺々しい音と考えられていますよね。で、もう少し全体的にスムーズなトーンにするために、2つのクリッピング・ダイオード1N914のうち、どちらか一つのダイオード、例えばD1にもう一つ1N914を追加するのが非対称化でした。この非対称化はより自然で、真空管っぽい音になると考えられています。

そして、最近はこれら「対称クリッピング」と「非対称クリッピング」のモード切替をLandgraffのようにトグル・スイッチでモード切替するのが流行っています。ネコも杓子もこのようなスイッチをつけてMOD/改造するようになっていますね。

でですね、この非対称化をさらに加速させ、通常のOn/Offスイッチと6個のゲルマニウム・ダイオード1N60を用いた下記のようなクリッピングにする「Steroids MOD」をDirk Wacker氏は提案しています(こちらGeneral Guitar Gadgetsも参考にしてください)。



これは6個も使用したことにより、結果として音量も稼ぐことができ、非常にスムーズで真空管のようなTSトーンが得られます。特にソロとかでは完璧に威力を発揮できます。

似たような傾向のSteroid系サウンド

Visual Sound Double Trouble #1


Menatone Blue Collar Overdrive Demo


ちなみに、何故かというと分かっているとは思いますが、技術的にゲルマダイオード1N60が1つ加わっただけではシリコンダイオードの閾値電圧(約0.55V)にたった0.1V(約20%ほど)引き上げるだけの効果しかなく、ニュアンスは変わりますがほとんど音的には変化が現れません。これ位では依然シリコンダイオードの効果が支配的です。

しかし、ゲルマニウム・ダイオード1N60を6個繋げるとどうでしょう?その閾値はシリコン・ダイオードの閾値電圧に匹敵する電圧(約0.6V)になり、TSで何とゲルマニウムトーンも同じ位に支配的になり、正しくあのゲルマサウンドが得られるようになるからです。

これの応用として、他にも、違ったゲルマニウム・ダイオード(例えば、1N100、1N34a、1N270等)、シリコンダイオード(例えば、1N4148、1N4001、1N5818等)、LEDs、およびFET(Zendriveでお馴染みの2N7000等)などなど試せます。是非お試しあれ!

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