IKEAから、素材をリスペクトする、ハンドメイド感がある家具「INDUSTRIELL collection」誕生!! - インテリア

IKEAから、素材をリスペクトする、ハンドメイド感がある家具「INDUSTRIELL collection」誕生!!


さて、もう数日すると4月、新年度となります。新年度は何かと新しい生活環境になる方も多いと思います。そんな時家具など何処で買うかとなると、モダンな家具を買いたい、あるいはリーズナブルでお洒落な家具と言えば最初にイケアを思いつくのじゃないでしょうか?


そんなイケアから、日本人にはそのフィロソフィーが共感しやすい、素材を大切に考えているデザイナーPiet Hein Eek氏の、量産でありながらハンドメイド感を目指した家具などが新たにラインナップに加わったということで、そのコレクションの発表会に行ってきましたのでご紹介します。


「不完全さ」「ユニークさ」を祝福

量産型の家具といえば、巨大な機械からまったく同じ新品の製品が
次々と出てくるところを想像しがち。

INDUSTRIELL/ インドゥストリエル コレクションは、こうした量産体制
につきものの均一性を転覆させ、人間味のある美しいふぞろいな
質感の製品を、手ごろな価格で実現しよう、というイケアならではの試み
です。こんな野望を持ったために、家具づくりの取り組みを一から考え直すことになりました。

デザイナーのPiet Hein Eekと組んで、私たちは木材、ガラス、陶器、
テキスタイル素材への新たなアプローチを開発しました。できあがった
数々のアイテムには、量産品としてはかなり規格外な、ユニークな人間味が宿りました。


IKEA – INDUSTRIELL collection


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しかも、当日はそのオランダのデザイナー兼職人であるPiet Hein Eek氏、そしてIKEAのクリエイティブリーダー Karin Gustavsson女史からもお話を直接聞けましたので、その辺も含めた私なりのユーザーから見た「INDUSTRIELL collection」の良さを、現物の写真も交えてご紹介できたらと思っています。


Piet Hein Eek - INDUSTRIELL collection


まずイケアの広報からは、イケアとしては北欧の家具を如何に日本の家に合わせるかを考えていますとの挨拶と、会場は船橋にある2016年にリニューアルしたIKEA Tokyo Bayだったのですが、その紹介でした。

IKEA Tokyo Bayはリニューアルした心地いい空間であることと、そのフロアマップとしてスタートとなる2階はレストラン、ショールーム、1階はマーケットホール・雑貨、そして1階の出口付近にはビストロを紹介。出口のビストロはソフトクリームが何と50円!!ですので食べて帰って下さい、とのこと。

そしてIKEAから今年計画している、今日のようなコラボの計画「イケアのデザインコラボレーション」を紹介してくれました。コラボの目的はやはり、新しいものを提供する努力をすることで常にお客様へIKEA来て欲しいのと、やはりコラボを通してIKEAだけでは考えていなかったアイディア、楽しさを実現できることだそうです。各コラボとも魅力的なものが多く今年はIKEAに行くことが多くなりそうな予感です。

  • 4月 DELAKTIG/デラクティグ
    ミラノを拠点とするデザイナー Tom Dixon氏とのコラボ
    オープンプラットフォームとしてデザインされたアルミニウム製のソファなどを提供予定だそうです


  • 5月 SPÄNST/スペンスト コレクション
    カリフォルニア州のストリートウェアのデザーナーであるCHRIS STAMP氏とのコラボ
    コラボではスケートボード、スニーカーなども提供予定だそうです


  • 6月 OMEDELBAR/オメデルバル
    BeyonceのファッションアドバイザーでもあるBEA ÅKERLUND女史とのコラボ
    ゴシック&グラマラスな雰囲気が特徴となるいようですね。


  • 夏 Norrahassel フォトグラフィー・コレクション
    カメラメーカーのHasselbladとのコラボによる写真展のようなものも開催されるようですね。



され、ここからがノルウェー語だと思うのですが「Industriell」なるキーワードを使用した「Industriell Collection」のお話と各アイテムの紹介になります。

モデレーターとしてはPiet Hein Eek氏のファンでもある、セレクトショップ「アシストオン」の大杉氏が参加されて、おととい来日したばかりのデザイナー兼職人のPiet Hein Eek氏、IKEAのクリエイティブリーダー Karin Gustavsson女史と交え、同時翻訳によるトークになりました。


ここは色々なお話があり私がメモれた範囲が中心とはなりますが、全体のテーマだったりPiet氏、イケアさんの思いなりはきちんとまとまるように箇条書きになりますが伝えたいと思います。ちなみに、あちらの方が「IKEA」を発音すると「イケア」ではなく「アキア」という風になるようですね。以下に大杉氏、Piet氏、Karin女史のコメントはO,P,Kとします。

  • Peit氏のIKEAの印象は?
    P:まだ職人ではない小さな頃からIKEAの家具はあった、とにかく皆が買えるモダンな家具の印象

  • IKEAのPiet氏とのコラボの印象
    O:IKEAからPietの家具が、えっ?と最初は思いました。

  • IKEAとのコラボについて
    P:もの作りの点で共通部分が多いと思ったし、いいデザインがすべてであり、いいデザインさえできればコラボは成功すると思った。

  • もの作りで共通部分の点
    全てのプロセスを監視し、理解して責任をもって最後まで作り、流通・梱包を含めて考えている点など、ものづくりのプロセスに共感できた、またその点でプロセスが似ていると感じた。

    これを具体的に3つのキーワードにすると以下。

    1 ハンドメイド - 少しずつ違うがプロセスルールは同じ
    2 物を無駄にしない
    3 インダストリー - パイン材業者に貢献したい

  • 廃材についての点
    P: 素材に対する敬意を持って仕事をしている、廃材を利用するのもそれ。日本は素材に対する敬意が凄い、オランダは素材は全部捨てるか使うか、でも日本は廃材の基準が違う、まちまち。50%捨てる場合もあれば、全部使う場合もある。素材をよく見ている。

  • 具体的にコラボにおいての工夫など
    P: [机について] IKEAの木は品質がよいが、どうもあのプラスティックみたいな木の感触が好きじゃなかった。


    なので、IKEAのもの作りのルールを満たすように、木の表面に素材の良さを引き立たせるための表面加工を施し、ハンドメイド感さを出した。


    P: [椅子について] 僕は椅子は片足で立ってグラグラしないことが品質のチェック方法だと思っている。だからねじを多用すると、長く使うとねじは緩み易いのでガタが来やすい。だから、ネジを多く使うのはやめよう、建築の技術も用いてねじ一本で止める、と決めたんだ。


    そのためにはしっかりしたパイン材が必要だった。またメンバーからはネジ一本でやるって出来るの? 証明してよと問われたこともあったよ。でも、僕が一番好きなコレクションなんだけど、この椅子がそれなんだ。


    P: [クロスについて] クロスも微妙に線が曲がっているので手書き感が出せた。ただ、これはソビエトの工場でマシンで編んでいるだけど、ハンドメイド感が出ている。


    最初は真っすぐな線によるデザインもあったが、自分で手書きしたもののデザインにしたんだ。


    P: [コップについて] 普通コップは1日で同じものをパーフェクに40万個位プレスして作る。そしてパーフェクかどうかはコンピューターによるチェックを行っているんだ。今回のコップは日本の薄いグラスからこういうのを出したかったと思っていた。そのために、それぞれ形が少しづつ微妙に違う日本の薄いグラスみたいなグラスをプレスでできるように色々工夫した。


    P: [ベースについて] ベースもそれぞれ形が少しづつ微妙に違う6種類を用意した。よく見ないと分からないかもしれないが、見ると違いが分かる。なので5分は選ぶ時間が必要になる。IKEAと話したときはそれはストアでは大変なことになるという話も出たが、いやいやそれが我々が求めていたものだという結論で一致して提供できるようになった


  • 最後に
    K:Piet氏は他のデザイナーとは違う、素材をうまく引き出す点がユニーク。彼とのコラボはまだ進行中のプロジェクトのように感じています。厳しい要求だったが、技術を変えるのか、要求を変えるのか、作り方を変えるのか、デザインのラーニングがあった。


    「Industriell」という言葉はIKEAはグローバルで提供するため、各国の商標や言葉の意味など実は色々なルールをクリアしないといけないのでこの言葉に決まるまでも色々と苦労はありました。

    日本については、日本の住宅を数多く見て、色々な色をアクセントとして使ってもらっていると感じた。


    P:大量生産と素材をリスペクトは相反するように見えるが、共通するのは100%活かす無駄にしないこと。僕は大量生産であっても注意深く作れば、きっと愛着できるもの、大切にしてもらえるものができるはず。

    大量生産はそういったバランスが大切。今回のコレクションで好きじゃないデザインは一つもない。一番気に入っているのは椅子。実は椅子は作るのが難しい商品でクオリティ要求もその分多い。

Piet Hein Eek


The Workshop: Piet Hein Eek (Roomed X Mendo)

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