最近日本の周波数帯域と合わないSIMフリー端末が平気で売られていることについて。 - Android携帯

最近日本の周波数帯域と合わないSIMフリー端末が平気で売られていることについて。

Subscribe with livedoor Reader

お久しぶりです。昨年秋くらいからバタバタしていまして、ブログ更新がしばらく滞っていました。しかし、10月からほぼ更新していないですが最近は毎日約1000件弱のアクセスがあり、本当にありがたいことだと思います。

それだけ、これまで書いた記事が世の中のお役に立てていると思うことにして、春も近いですのでまた再開です。さあ、第一弾は「SIMフリー」です、最近日本でも総務省のSIMロック解除の指導以降、SIMフリー端末が気軽に手に入る時代になりましたね。


昔は今の総務省の指導とはほど遠く、キャリアは皆こぞってSIMロックを掛けて自分のキャリアサービスへの囲い込みをしようとしていました。しかし、どんなに囲い込んでも携帯電話番号ポータビリティ(MNP: Mobile Number Portability)、さらには仮想移動体通信事業者(MVNO: Mobile Virtual Network Operator, MVNO)で流出が止まりませんでした。

じゃあ自分はというと、海外からSIMフリー端末を買って海外のSIMを入れて細々と使っていた私としては嬉しいはずなのですが、残念ながらまだ買ったことがありません。じゃあ、どうだったら買いたいようになるか? です。

その一つは日本で誰でも買える端末の割にはお値段がちょっと今はまだ高いので、もう少しお値段が安くならないかと。特にWi-Fiのみの機種は携帯通信の標準技術は使っていないのだから、PC位にお値段はぐっと安くできるはずです。

あとは、表題の「最近日本の周波数帯域と合わないSIMフリー端末が平気で売られていることについて」にあるように日本での販売を前提にしているものはなおさらですが、SIMフリー版は周波数帯域をもう少し日本の事情に合わせて欲しいなぁということ。

この点は、実はこの記事を書くきっかけとなったのが、サウジアラビアに数年滞在することになった知り合いからの相談なんです。相談の趣旨は日本で買ったSIMフリー携帯が、サウジアラビアでも使えるのか?という質問でした。結論は方式が違うのでLTEは使えませんが、WiFi経由なら方式は同じなので使えますという、分かりにくい回答です。

ちなみに、サウジアラビアは普及率がなんと約170%(うち約90%がプリペイドSIM)もありますが、向こうのキャリヤも日本と同じ三つ巴で下記の3大キャリアと最近新規参入した3社の計6社程度なんですね。


それで各国毎で周波数帯域が違うからなぁと調べてみましたが、実はサウジアラビアは周波数帯域どころか、米国、欧州、日本などで一般的に使われているLTEの方式「周波数分割多重(FDD)-LTE」ではないんです。

じゃあどうなってるかというと、こちらの記事「Appleは 第5世代のiPhoneに 中国規格のTD-LTEを採用♪」でご紹介したような中国と同じ、あるいはWiMAX 2+と同じ「時間分割多重(TDD)-LTE」なんですね。



実は「周波数分割多重(FDD)-LTE」方式は国際的な規格で決められた周波数帯域を使用する必要があるようですが、その周波数帯域は既にサウジアラビア国軍が占有しているため、使えなかったという理由だそうですね。

これって、周波数帯域どころではなく方式がそもそも違うため、不用意に日本などでSIMフリー版を買ってはダメと取り急ぎ知り合いには伝え、さらにサウジアラビアの場合にはどうも現地で購入した方が吉とも伝えました。

ちなみに、日本とサウジアラビアで使用しているLTEの周波数帯域は下記のようになっていました。サウジアラビアは要はWiMAX2+で使用している2.5GHzとTD-LTEではグローバルスタンダードな2.3Ghzを使用しているということです、はい。

バンド 周波数 ドコモ KDDI(au) ソフトバンク Y!mobile
(旧eACCESS)
サウジアラビア
(TD-LTE)
BAND 28 700MHz LTE (2015) LTE LTE (2015)
BAND 3 1.7/1.8GHz LTE (2013) LTE
BAND 21 1.5GHz LTE (2012)
BAND 19 800MHz LTE (2012)
BAND 1 2.1GHz LTE (2010)
W-CDMA
LTE
CDMA2000
LTE
W-CDMA
BAND 6 800MHz W-CDMA
BAND 8 900MHz LTE (2015)
W-CDMA
LTE (2015)
BAND 9 1.7GHz W-CDMA
BAND 11 1.5GHz LTE W-CDMA
BAND 18 800MHz LTE
CDMA2000
BAND 26 850MHz LTE
BAND 40 2.3GHz TD-LTE
BAND 41 2.5GHz WiMAX 2+ TD-LTE




特に、自分が使い続けているドコモについては、各周波数領域の特徴は下記の項目と表でまとめてみました。どうも、ストレスなく高速通信がSIMフリー端末で出来るようになるには1.5GHz・1.7GHzが重要なんですね。

  • 700MHz ・・・ 2015年に戦略的に LTE専用として投入した。但し、まだ実験用基地局程度で今後に期待?

  • 1.7GHz ・・・ 過去にユーザーの多い東名阪エリアで一部LTE用として使われてきた帯域。これを2015年にLTE専用として戦略的に転用した。

  • 1.5GHz ・・・ 2012年に戦略的に LTE専用として投入した。

  • 800MHz ・・・ 日本中心の周波数帯域であり、主に地方で整備されてきた。地方での使用を想定する場合はこの800MHzに要注意。都市部においても電波が回り込み易い周波数のためエリア対策で導入された。

  • 2GHz(2.1GHz) ・・・ もともと3Gはこの周波数でエリア構築してきたため、基地局が圧倒的に多い。2010年にドコモがXiサービスを開始した際に最初に割当てた周波数である。欧州、アジアなどの海外でも多く使われている。

ドコモのLTE向け周波数帯域
LTE
速度(Mbps)
基地局数
(2014/6現在)
フルLTE化
LTE
3G
周波数
バンド
37.5
75
112.5
150
全国
大都市
700MHz
28
不明
-
-
2015

(2015)
1.7GHz
3
 
 
 
2000
1500
2015

(2013)
1.5GHz
21
 
 
 
8000
2300
2012

(2012)
800MHz
19
1万6000
2700
x

(2012)
2GHz
(2.1GHz)
1
 
 
4万2000
1万500
x

(2010)
800MHz
                 
2GHz
(2.1GHz)
                 
モバイルキャリア各社のLTE基地局のエリア展開実態および戦略に関する調査(株式会社MCA)より

そうすると、今のSIMフリーがどれ位この帯域に対応しているかがポイントになりそうですね。それを次の表で見てみますが、実は1.5GHz帯域はほぼ全てのSIMフリーは対応していないのが問題なんですね。

つまり、基地局の最も少ない1.7GHzにしか対応していませんので遅いはずだと感じます。また、GoogleのNexus7辺りまでは1.7GHz、800MHzにさえ対応していないので、結局37.5Mbpsしか出ない2GHzしか対応していないんですね。

これだから、買う気にはならない理由が分かって戴けれると思います、はい。まあ、知ってか知らずかSIMフリーは極力Wi-Fi中心で使用していましたから、そうなるとSIMフリーの意味がなくWi-Fi版でいい感じですけど。それならもっと安くならないかと..... 誰かこの負のスパイラル状態を止めて貰えませんかね。

LTE
速度(Mbps)
Nexus
Ascend
G6
Xperia
Z2
周波数
バンド
37.5
75
112.5
150
9
※1
7
※2
6
※3
5
※4
Huawei
Sony
700MHz
28
不明
x
x

(700)
x
x
1.7GHz
3
 
 
 

(1.8)

(1.8)

(1.7)
1.5GHz
21
 
 
 
x
x
x
x
x
800MHz
19
x
(900)
x
(850)

(800)
x
x
2GHz
(2.1GHz)
1
 
 
800MHz
3G
             
x
2GHz
(2.1GHz)
         
最高速度(Mbps)
(LTE)
150?
150
150
※1 日本版 HTC製、※2 2013版 ASUS製、※3 Motolora製、※4 LG製

COMMENT 0