真空管の旅: パワー真空管とそのシグネチャー・サウンドに関するガイド4 ~パワー管を交換することの喜び編~

Subscribe with livedoor Reader

パワー管を交換することの喜び

パワー管を交換することはプリアンプ管よりずっと扱いにくいことには注意が必要です。有名な12AX7のようにプリアンプ管は陰極(cathode)バイアスなので、折角プリアンプ管を交換しても各真空管の特性のバラつきによりプレート電流が流れすぎて加熱したり、プレート電流があまり流れず暖まらなかったりしても、自動で調節してくれる自動バイアスが働きます。


電流計


Google


(もしかなりのプリアンプ管の交換マニアなら、今日現在市場にある23種類の12AX7に対するトーン特性の包括的な比較チャートがこちらからダウンロードできます。必見です。)


もしご自分のアンプが、陰極(cathode)バイアスのパワー管であれば、同じ型角の(あるいは代用品の)新しいパワー管に単に交換するだけで、バイアス調節をしなくても済むはずです。そう、プリアンプ管と同じように簡単に交換できます。

ご自分のアンプのパワー管を異なるタイプのパワー管に交換できる幾つかのやり方をもう少し詳しくお話する前に、バイアスについてもう少し詳しくここでお話したいと思います。



固定バイアスと自動バイアス

ほとんどのより出力の高いアンプ(20ワット以上)は固定バイアス方式であり、その理由は自動バイアスよりも効率的で、よりアンプに多くの出力を与えることができるからです。(自動バイアスにするとその分マージンが減り、パワー管の特性をある意味食い潰すことになるからです。)

しかし一方、固定バイアスの欠点としてはパワー管自身がバイアスを自動調整できないことにあります。そのため最適な設定に比べ、熱すぎたり冷たすぎたりすると、いちいちバイアスの調節が必要にはなってきます。

多くの人は車を調節することと、アンプのバイアスを調節することを比較したがります。だって、それは真空管のアイドリング状態の設定を意味し、最適な設定は各真空管で違ってくるからです。

あるアンプは自己バイアス方式なのですが、その他は固定バイアス方式になり内部のバイアス・ポットにより調節をすることになります。またその他は単に固定バイアスで調節できないものもあります(が、この場合には大半はメーカーの純正品を使うことになり、これら純正品はバイアス調節しなくてもいいような同じ特性の選定されたものを使用しています)。

固定バイアスのアンプの場合、パワー管を交換する時にバイアスをチェックすることは非常にいい心構えだと思います。ブランド、モデルまで同じなアンプで、同じタイプの真空管でさえ、少し熱くなり過ぎたり、冷たくなり過ぎたりすることはあります。

そのため、一般に多くの人は電気的に合ったペアのパワー管を好んで使い、変える度にバイアスを調整することをやります。これは、サウンドの品質や真空管の寿命の店で理想的なバイアスポイントにしたいからです。

交換できる場合と、交換してはダメな場合

ところで、パワー管を交換するお話に戻りますが、EL84やその9ピンミニチュアを例外として、ここで説明してきた全てのパワー管は8ピンのオクタベースであり、同じ真空管ソケットに収まります。。

但し、同じソケットで交換可能だからと言って異なるパワー管をそれ用に設計されていないアンプに挿して使用することができるとはむやみに、いえ絶対に思わないでください。最悪は回路にダメージが生じ、アンプそのものが故障してしまう事態に最悪はなってしまいます。

例えば、4つの6L6GCパワー管を使うように設計されたアンプを持っているとしましょう。そして、これを4つのKT77にするとサウンドがどうなるか聞きたい時にどうしますか? 交換していいでしょうか? まずは自分が理解している範囲でここで答えてみてください。

理論的な考え方
  • 4つの6L6GC: パワー変圧器の6.3Vのフィラメント巻きから約3.6A(0.9A x 4)の電流を引き込みます
  • 4つのKT77:  パワー変圧器の6.3Vのフィラメント巻きから約5.6A(1.4A x 4)の電流を引き込みます

さあ、ここまでヒントを出しました、交換していいですか? ダメですか? そうなんですね、正解です。もしあなたのアンプのパワー変圧器がもう2Aもフィラメント電流を流せる余裕がなければ、間違いなくパワー変換器じゃ火を吹いて吹き飛ぶでしょうね。その後に、パワー変圧器を取り替えるとなっても、数万円の代償を払うことになるでしょうね。あるいは、ヴィンテージのアンプなら同じヴィンテージのパワー変圧器は絶対に手に入りませんから、覆水盆に返らずです。

バイアス調節をする方法

じゃあ、もしあなたが真空管に詳しくなかったら、どうすればいいでしょうか? (ここからお話することは次の点は十分に注意してください:真空管アンプの電圧は非常に高電圧なため、最悪は感電等して死に至ることもあり得ますので、あくまで自己責任でお願いします。)

まず電流計を手に入れて、どのようにバイアスを行うかを知ることです。待機時のプレート電圧を簡単に測定するためには、Bias Kingなどのバイアスメーター(バイアステスターとも呼ばれます)を使用することで簡単に電流計で真空管ソケットから測定ができるようになります。



もし、今のパワー管でのサウンドに満足しているのであれば、一度そのベストな場合の待機時のプレート電流を測定しておき、今後交換する同じタイプのパワー管、あるいは代用品のパワー管のバイアス調節のリファレンスとするといいと思います。

もしペアで新しいパワー管にする場合には、より安全には最も冷たいバイアスポットの設定から始め、バイアスメーターで電流の測定値が増えていく様子を見ながら、徐々にその設定をホットな方向に動かしていって下さい。バイアスを決して熱すぎる設定にするのは止めましょう。そうしないとプレートから真っ赤なグロー放電が始まり、真空管の寿命が極端に短くなってしまいます。

また、バイアスメーターを使っている時は低いボリュームでしか音を鳴らしてはいけません、あくまでバイアスメーターは待機時の電流を測るために設計されており、ボリュームを大きくすると大電流が流れ、バイアスメーターは破壊してしまうと思ってください。最後に、自信がない時には専門家にお願いしましょう。

バイアス調節を超えて

アンプのバイアス調節の最適化もいいのですが、その先にある理想のサウンドをどう手に入れるかについても最後に触れたいと思います。既にある真空管の種類であっても新しいサウンドの実験くんは可能です。

あるメーカーは(同じバイアスポイントでどれだけプレート電流が流れるかという点で)特性が揃ったセットのパワー管を提供している場合があります。ホットな真空管は高いプレート電流を持っていますが、クールな真空管は低いプレート電流を持っています。そして、パワー管がよりホットか、またはよりクールな時に、実際のトーンに重要な違いがあるかを実験することができます。

待機時のプレート電流を同じ量にバイアスした時には、ホットな真空管ではより少ない歪で音はより大きくなり、クールな真空管ではより簡単に歪ませることができ、パワー管で歪ませることができます。是非、異なったブランドでもパワー管を試してみて、トーンの違いを理解してみて下さい。

バイアス調節要らずのコンバーターの活用

もし専門家に頼らずにパワー管タイプを交換する一つの方法としては、例えば「Yellow Jackets」や「VHT」などのコンバーターを用いる方法があります。(どうもこの記事を書いたライターの会社AmplifiedParts.comがYellow Jacketsを所有しているそうで、その事実を公開していました。)


ご自分のアンプが、もし一般的な8ピンのパワー管タイプ(6L6、EL34、6V6、6550、7027、または7591)のうちの何れかであれば、これらのコンバーターは、バイアス調整なしに陰極(cathode)バイアスのEL84sをそのまま使用できるようになっています。これにより、より小さな音量でパワー管での歪みを得ることができるようになり、まさしくかの有名なブリティシュなEL84フレーバがアンプから得られます。

最後になりますが、あなたがもし直接の代用品でない完全に異なるタイプのパワー管の交換に手を出したいのであれば、まず最初にご自身のアンプのメーカーか、技術者に問い合わせてみるといいと思います。不可能ではないはずでので、ご自分のアンプの増幅回路と真空管の種類の情報からより確実かどうかを確かめることがきっとできると思います。

How to Bias a Tube Amp - Easy (but more expensive) Method


How to Bias Your Guitar Tube Amp


Marshall EL34 Tube guitar amp bias adjustment mod D-lab Electronics

COMMENT 0