真空管の旅: パワー真空管とそのシグネチャー・サウンドに関するガイド3 ~6L6GC編~

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これから少しづつ、各パワー管について一つづつ解説をしていきます。その第一弾として、今日はFenderのアンプで有名な6L6になります。(Power Trip: A Guide to Power Tubes and Their Signature Sounds P.3より)




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6L6GC
  • NOS 電気特性仕様 (GE 基本特性)
  • 構造的な分類: “beam power amplifier”
  • フィラメント電圧: 6.3 V
  • フィラメント電流: 0.9 A
  • 最大プレート電圧・ワット数: 500 V, 30 W
  • 最大スクリーン電圧・ワット数: 450 V, 5 W

パワー管6L6は1936年に米国RCA(Radio Corporation of America)が開発後、導入され米国で作られていました。この6L6は当初、破損を防止するためにメタル管が使われ、主にラジオの受信機で使われていました。

オリジナルの6L6は、今のガラス管の仕様にしたり高出力化したりなど改良がなされると、6L6G、6L6GA、6L6GBなどの新しい名称が与えられ、最終的には6L6GC(1950年代遅くに導入)となりました。

初期の6L6バージョンの段階で既に優れたパワー特性やパワー効率のため、現代の真空管メーカーは6L6GCを作っているのみとなっています。その結果、ほとんどのギタリストやいくつかのメーカーは、6L6GCを単に「6L6」と呼ぶようになっているほどです。

もしオールドストックのNOS 6L6GCを買おうと計画しているのであれば、オリジナルの金属管の6L6を注文しないよう注意してください。恐らくは、サウンドも酷く、ギターアンプは発熱の問題を抱えてしまうことになります。


1960s Fender Blackface Twin Reverb. 写真の出展はTim Mullally氏およびDave's Guitar Shopから



6L6GCは、一般的には古典的アメリカロックンおよびビンテージもののFenderアンプの音と関係が深いとされています。例えば Bassman、Showman、Twin Reverbなどの高出力なアンプに対し、60年代にフェンダーのパワー管として6L6は採用されました。

6L6GCサウンドに関する非常によい過去のデモとしては下記の Dick Dale& the Del-Tonesの1963年の演奏「Miserlou」です。そう、実はこれThe Black Eyed Peasも「Pump It」でアレンジしているのですが、実は我々もまだ生まれていなかった、沖縄返還(1972年)より前のこんな時代の曲なんです。

Dick Dale & The Del Tones "Misirlou" 1963


The Black Eyed Peas - Pump It


低域は太く、迫力があり、力強い。中域はタイトで、明瞭で、暖かさがある。トップエンドは、そうFenderアンプで有名な鈴なりサウンドがちょっとしたアクセントを付けています。6L6GCはなかなか歪まないが、一旦歪むとオーバードライブサウンドは音が厚く、タイト。

ちなみに、パワー管 KT66と5881は、6L6GCの共通の代用品になっています。1930年代遅くにアメリカの6L6に対抗して英国のライバルとして開発されました。なのでKT66は、1960年代初期から中期に多くのMarshallアンプで最も使われました。

1966年のJohn Mayall氏のBluesbreakersで収録されたEric Clapton氏の「Hideaway」は、Yardbirds時代のうっぷんを晴らすかのようにLes PaulにフルボリュームでKT66のマーシャルJTM45に突っ込んでレコーディングされたとほとんどの人がそう思っています。

HIDEAWAY (1966) by John Mayall's Bluesbreakers- featuring Eric Clapton


こちらは噂の Fender EC Twinolux (Cream 2005 reunionから使用していたTweed Twin 40Wのリイシュー版で'57 Twinがベースのパワー管6L6)に、彼のシグネーチャーのBrownieのレプリカやGibson Harrison-Clapton Lucy Les PaulのレプリカでClapton氏自身が弾いている映像。

The Fender Eric Clapton "Brownie" Tribute Stratocaster


The Gibson Harrison-Clapton "Lucy" Les Paul


Clapton氏はこの時代にはLes PaulのブリッジPUを用いたサウンドを自分のサウンドとしており、ギターのボリュームと、アンプのボリュームとバスを最大にすることで、少し刺々しくサスティーンのある、ユニークでファットなオーバードライブサウンドを実現していました。そう、6L6GCの代わりにKT66に変えることで僅かにクリーンなサウンドになるので試してみるのも手。(要は6L6と比べてKT66はより歪みにくいってことです。)


1960s Fender Showman Head& Cab-A. 写真の出展はTim Mullally氏およびDave's Guitar Shopから

一方、5881は6L6GCより少し遡ります。5881は、1950年代初めに導入された、ミリタリーユースの、6L5Gより小さめで、さらに凸凹したバージョンになっています。5881はFenderの有名な、最も初期のMarshallアンプの回路をコピーしたTweed Bassmanに採用されました。6L6GCを5881に変えることで、ローエンドノの周波数応答を減らし、より簡単に歪ませられるオーバードライブサウンドになります。

下記のYoutube動画に見られるように、Buddy HollyのBassmanには恐らくこの5881が使われています。

Buddy Holly on the Arthur Murray Dance Party 12/29/57



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