真空管の旅: パワー真空管とそのシグネチャー・サウンドに関するガイド2 ~パワー真空管の解剖学~

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今日は「パワー真空管の解剖学(ANATOMY OF A POWER TUBE)」と題して、ちょっと技術的なお話を。

パワー真空管というのは、基本的に電子の流れを調節するための制御バルブなんですね。だからか、海外のギタリスト達はこのパワー真空管を「管(tubes)」と呼ぶよりは「バルブ(valves)」と呼ぶんですね。

そしてどのように制御されるかを説明しますと、電子は図1に示すように、真空管の陰極(cathode)と呼ばれる部分からプレートと呼ばれる部分へ流れます。




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すべてのパワー真空管は陰極(cathode)とプレートを持っているのですが、個々の真空管のサウンド的な特徴の多くは、ある特定のコンポーネントと構造から来ていることをさらに説明します。

今お話しているパワー真空管は、下記の3つのカテゴリーにだいたい分けられます。例えば、最初の4極管(tetrode)は既にお話した陰極(cathode)およびプレートの他に、コントロールグリッド(control grid)とスクリーングリッド(screen grid)の計4つの電極を持っていることからこう呼ばれます。

  • 4極管(tetrode)
  • 5極真空管(pentode)
  • ビームパワー(beam power)

さらに、真空管アンプにスイッチを入れると真空管で何が起こるかもお話しますと、真空管のセンターにあるフィラメント(tube filament)に電圧が通常は6.3Vなんですが印加され始めます。これにより、電流を流すための準備として電子が自由に飛び出すために陰極(cathode)は十分に温められます。

その後、電子が陰極(cathode)からプレートへ届くのに十分大きなDC電圧がプレートとシールドに印加されます。ご自分の真空管アンプがスタンバイモードの時は、プレートとスクリーンの電圧は印加されておらず、したがって電子も飛び出さず待機していますが、いつでも直ぐに電流が流れるように陰極(cathode)を温めて待っています。

一方、コントロールグリッドはと言いますと負のDC電圧が印加され、カソードからスクリーンやプレートへ流れる電子を制御しています。コントロールグリッドの電圧がより大きな負の電圧になりますと、陰極(cathode)からプレートへの電子の流れは減少します。逆に、コントロールグリッドの電圧がより小さな負の電圧になりますと、電子の流れは増えることになります。

このように陰極からの電子がプレートに十分に届きますと、やがてプレートの他の電子は移動し始め、いわゆる二次電子放出という現象としてスクリーングリッドへ流れ始め、真空管の効果がさちり始めます。

五極電子管(Pentode)やビーム出力管(beam power)はスクリーングリッドとスクリーングリッドの間にさらに電極を追加し、この二次電子放出の発生を減らす改善を行っています。

特に、五極電子管(Pentode)はサプレッサーグリッドと呼ばれるグリッドが追加され、ビーム出力管(beam power)はその代わりに通常はビームコンフィニング電極と呼ばれる電極が追加されます。



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