真空管の旅: パワー真空管とそのシグネチャー・サウンドに関するガイド ~Premier Guitar 2015/8版~

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さ~て、あちら米国の「Premier Guitar 2015年8月号版」の最新記事から、「真空管の旅:パワー真空管とそのシグネチャー・サウンドに関するガイド(Power Trip: A Guide to Power Tubes and Their Signature Sounds)」と題しまして、久しぶりに真空管のおさらい・整理をしたいと思います。

真空管についてあまり知らない人も、よく知っている人も、それなりにためになる日本で最初の系統的に解説した、あちら米国のマナの最新情報になります♪



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まず真空管アンプの裏に回りますと、暖かなグロー放電を放つ真空管には色々な形やサイズがあるのが分かると思います。その中でパワー真空管(出力真空管とも)呼ばれるものは、より大きなサイズの真空管で、アンプがスピーカーにギターのサウンドを出力する直前の最終ステージに置かれた真空管になります。

そして、このパワー真空管という名前は誤解を生じやすいのですが、単にスピーカーに出力するだけでなく、真空管アンプのサウンドやそのレスポンスに関して重要な役割を果たすことをちょっと解説していきたいと思います。

Power Tube Comparison




例えば、製造メーカーに係わらずパワー真空管のタイプは規格として定められていて、下記のような種類があり個々にサウンド的に個性があります。このサウンド的な特徴を知ることは、自分の好みの真空管アンプを探す上で、非常に役立つと思います。

パワー真空管の種類

・EL34 "A.F. Output Pentode"
・EL84 "A.F. Output Pentode"
・6L6 "Beam Power Amplifier"
・6V6 "Beam Power Amplifier"
・5881 "Beam Power Amplifier" (Special 6L6-G)
・KT66 "Beam Tetrode"
・KT77 "Beam Tetrode"
・KT88 "Beam Tetrode"
・6CA7 "Power Pentode"
・6550 "Beam Power Tube"




あるいは、異なる真空管アンプで異なるサウンドに変えてみたかったり、あるいは今ある自分の真空管アンプに違ったメーカーのパワー真空管を使うことでより上質なサウンドを得たいといった上でも、非常に役立つと思います。

それが最もよく分かる例は、人気のある真空管のシグネチャー・サウンドを表現する場合に、よく1950年、1960年、あるいは1970年代の古典ロックで語られることがあります。これは別に古典ロックを弾くのに真空管アンプが最適と言っているのではなく、その当時はアメリカのサウンドと、ブリティッシュのサウンドに大きな違いがあったことが、このパワー真空管に寄っていたことが分かるからです。

あるいは、まだこの当時はそんなにエフェクターも多用されていなかったため、各パワー真空管に由来する重要なサウンドの特徴をクリアに生で聞くことができるからでもあります。百聞は一見に如かずです、既にお見せしたYoutube動画でパワー真空管の比較をしてみると、その各パワー真空管に由来したサウンドの違いが判ると思います。まずは今日はここまでです。続きはまた来週以降で解説していきます。


古典ロックで見る各パワー真空管の個性


この1963年のDick Dale and the Del-Tonesのクリップは、この時代の大きめのFenderアンプで使われたパワー真空管「6L6GC」では音量のある、はっきりしたサウンドがよく表れていると思います。


こちらは噂の Fender EC Twinolux(Cream 2005 reunionから使用していたTweed Twin 40Wのリイシュー版で'57 Twinがベースの6L6)に、彼のシグネーチャーのBrownieのレプリカでClapton氏自身が弾いている映像。



Yardbirds時代のうっぷんを晴らすかのように、Eric Clapton氏がJohn MayallのBluesbreakersでLes Paulにフルボリュームでアンプに突っ込んで弾いたとされる時代の「Hideaway」は、パワー真空管「KT66」を用いたMarshall JTMのサウンドだと一般的には考えられています。


こちらは噂の Fender EC Twinolux(Cream 2005 reunionから使用していたTweed Twin 40Wのリイシュー版で'57 Twinがベースの6L6)に、彼のGibson Harrison-Clapton Lucy Les PaulのレプリカでClapton氏自身が弾いている映像。



Buddy Holly氏のFender Bassmanは、1957年のArthur Murray's Dance Partyの演奏「Peggy Sue」からは、恐らくパワー真空管「5881」だったと考えられます。


Eric Clapton氏のDerek & the Dominoes時代に撮られた"Layla"はパワー真空管「6V6GT」を使用したFender Champでした。


Jimi Hendrix氏はスタジオではよくFenderアンプを使用していましたが、彼のライブではパワー真空管「EL34」だと考えられるMarshallアンプで爆音を唸らせています。


Beatlesのこの1963年の英国マンチェスターのライブではパワー真空管「EL84」を使用したVoxアンプでした。


バンドSteely DanのギタリストWalter Becker氏が1973年のMidnight Specialでの演奏"Reelin’ in the Years."は古典的なパワー真空管「6550」を使用したSVTサウンドでした。


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