何故今BOSSはMDP技術なのか? ~私的な考察について~

Subscribe with livedoor Reader

何故今BOSSはMDP(Multi-Dimensional Processing)技術なのか?の私的な考察の前に、ちょっと技術的な流れを説明しますと、恐らくBOSSって2001年に発売されたMD-2(Mega Distortion)が実質BOSS最後のアナログ・エフェクターだったように感じますね。

そうですか♪ BOSSから最先端のオーバードライブ「Overdrive OD-1X」の登場です♪
NAMM2013: BOSS COSMの最終形!? MDPシリーズ DA-2/ MO-2/ TE-2


    逆にもっとはっきりと言うとMD-2(Mega Distortion)迄がアナログ・エフェクターで以降はすべてデジタル・エフェクターということになります。そしてそのデジタル・エフェクターの最初のドライバーがCOSM技術になります。

    そしてそのCOSM技術って実のところは、最初に適用したのは2006年のAC-3であり、ある意味歪み系ではないところから出発していますね。つまり、COSM技術を搭載したIC「Roland ESC R04010990」は遡ること2006年頃に開発された汎用のDSPプラットフォームなんですね。

      

    その当時としては、画期的で随分と出来が良かったんでしょう、これを歪み系にも適用する計画が既にあったため、マーケティング的にはコンパクトエフェクターの特に歪み系にデジタル技術が使われていることをまだまだリスクだと感じていたのでしょう。それをうまくオブラートに包むために使われた言葉として最適だったんでしょうね。

    そして、実際翌年の2007年にはNAMMでアンプの名機をモデリングした別枠の歪み系シリーズとしてFBM-1('59 Fender Bassman)やFDR-1('65 Fender Deluxe Reverb)を発表するに至ります。

       



その後、このDSP「Roland ESC R04010990」を搭載したコンパクト・エフェクターはPW-10(Wah)、FZ-5(Fuzz)、DN-2(Dyna Drive)、ML-2(Metal Core)、DD-7(Digital Delay)、ST-2(Power Stack)、BC-2(Combo Drive)、FB-2(Feedbacker/ Booster)、FRV-1('63 Fender Reverb)、PS-6(Pitch Shifter)など次々に採用され、ある意味大成功を収めたように思います。(但し、何故かDN-2、ML-2、DD-7、PS-6などはCOSMと銘打ってはいませんが)



      

      

しかしですね、2006年頃に開発された同じDSPプラットフォーム「Roland ESC R04010990」を使いまわしているうちに、ちょっと問題ができてきます。そうDSPがほぼ全ての処理の主体となるデジタル処理のコンパクトエフェクターは、アナログ技術では表現できないような多様な処理が、パーツや回路はほぼ同じでもできちゃうんですね。

これが問題なの?と思うかもしれませんね。実際ちょっと一昔前のラック型エフェクターがもつ濁りの少ない透明感のある音質をDSPはコンパクト・エフェクターにも提供してくれます、これは本当にびっくりです。じゃあ、今度は開発者の立場になってみて下さい。

ちょっとパラメータを変えるだけで異なったエフェクターが次々とできてしまうんですが、段々とパラメータだけを弄ってくとその途中には DN-2がFZ-5になったり、FDR-1がML-2になったりと、技術者としてもメーカーとしてもちょっと違うんじゃない?という局面がだんだん出てくるんです。

そこでそのうち、マルチエフェクターのME-70などを開発した技術者をコンパクトエフェクターのST-2やBC-2の音色開発に投入したりして試行錯誤をしながら(結局はST-2やBC-2にもDSP「Roland ESC R04010990」を採用し)、これがいい刺激になっていったんじゃないでしょうか。

      

恐らくはその頃、消費電力も最低で36mAという凄いことになっているので、徐々にその消費電力が増え続ける問題にも新しいDSPコアを採用することで解決しつつ、COSM技術で培ったノウハウを処理能力が桁違いに良くなったDSPに注ぎ込んだ結果......

MDP(Multi-Dimensional Processing)からも想像が付くと思うのですが、ギター信号を分析し、周波数をチェックし、(COSM技術と違うところだと思うのですが)各周波数毎に個別に処理(歪みを作る処理など)を行うという優れた次世代の技術が生まれたんでしょうね。より歪みが深く、透明感、各弦の分離、輪郭が良さげなんですね。

      

あくまでも、想像ですよ、想像。信じるか信じないかはあなた次第ですが、言いたいことは次世代のモデリング技術となるべく上手くMDP(Multi-Dimensional Processing)技術へと昇華していったんじゃないかと。恐らくは消費電力の問題を解決した新しい何らかCOSM技術を超える凄い技術だと思ってもらえばいいんじゃないでしょうかね、そう思います。

まあ、その音を聞けば、イメージ的にはかなりラックタイプに近いような複雑な処理が、しかも高い分解能と透明感、ノイズの少なさを持ってコンパクト・エフェクターでできるようになっているの、分かりますよね。そして今度は、歪みの深さというか、その質の高さというか知ってしまうと、もう地デジからアナログ放送には戻れないのと同じですね。

OD-1はもう古き良き時代ということでしょうかね、いい意味でね。それともアナログ放送が地デジになったように、OD-1、DS-1もそうなったとすると.... MDP技術に期待は膨らみますね。

ひずみ系のコンパクトエフェクター
歪みの種類 モデル名 MDP COSM アナログ 備考
Overdrive
OD-1X
FB-2
BC-2
DN-2
COSM技術では実質初のオーバードライブ系
BD-2
OD-3
OS-2
SD-1
OD-1
BOSS初の歪みエフェクター
Distortion
DS-1X
DA-2
MDP技術では初の歪み系
ST-2
ML-2
COSM技術では実質初のディストーション系
MD-2
MT-2
DS-2
DS-1

BOSS コンパクトエフェクターの発売順
    [2014年3月発売]
  • OD-1X
  • DS-1X

  • [2013/2/16発売]
  • DA-2 MDP技術初の歪みエフェクター
    オーバードライブ~クランチ~過激なハイゲインが1台でOKなマルチエフェクター感覚
  • TE-2 記念すべき100番目のモデル
  • MO-2

  • ----- デジタル・エフェクターの本格化 COSM技術からMDP技術へ -----

    [2011年11月下旬発売]
  • FB-2
  • [2011年9月23日発売]
  • BC-2

  • [2010年発売]
  • ST-2 スタックキャビでマーシャルを鳴した場合をモデリング

  • [2009年7月発売]
  • FRV-1('63 Fender Reverb)

  • [2008年発売]
  • DD-7
    最長6.4秒のロングディレイで、ベースやキーボードでもOK
    野田 洋次郎(RADWIMPS)などが使用

  • [2007年3月発売]
  • DN-2 ピッキングで歪みの量と音色の変化のニュアンスが制御できるOD
  • FZ-5 3大ファズ(Fuzz Face/ Maestro Fuzz/ Octave Fuzz)がこれ一台でOK
  • ML-2 重圧で鋭いヘヴィードライブで、7弦にもしっかり反応

  • [2007年1月-2013年8月発売]
  • FBM-1(Fender '59 Bassman)
  • [2007年1月-2013年03月発売]
  • FDR-1(Fender '65 Deluxe Reverb)

  • [2006年発売]
  • AC-3

  • ----- アナログ・エフェクターの終焉とデジタル・エフェクター(COSM技術)の台頭 -----

    ----- 2002~2006年はマルチエフェクターの時代 -----

    [2002年9月発売]
  • DD-6
    大山 純(Art-School)などが使用

  • [2001年11月発売]
  • MD-2
    激歪で7弦対応(MD-2がBOSS最後のアナログ・エフェクター)
    真鍋 吉明(the pillows)などが使用

  • [2000年発売]
  • AW-3
  • PH-3

  • [1997年8月発売]
  • OD-3 OD-1の現代版? 浮雲(東京事変)などが使用

  • [1997年発売]
  • FZ-3 BOSSコンパクトシリーズの3番目に短命
  • AC-2
  • TR-2

  • [1996年発売]
  • XT-2 BOSSコンパクトシリーズで2番目に短命
  • PW-2 BOSSコンパクトシリーズでモットも短命

  • [1995年発売]
  • BD-2 ディストーションとオーバードライブの間を埋める歪み
  • DD-5
    西川 弘剛(GRAPEVINE)などが使用

  • [1994年発売]
  • RV-3
  • PS-3

  • [1993年5月-1997年6月発売]
  • FZ-2

  • [1993年4月-1998年12月発売]
  • SD-2 クランチ/リードの2系統の歪み

  • [1991年3月発売]
  • MT-2 BOSS史上最大の歪み(笑)で、イコライザー機能が便利

  • [1990年5月発売]
  • OS-2 colorでODとDISTをミックス 藤原 基央(BOC)などが使用

  • [1988年?発売]
  • DS-2 DS-1+ターボ機能(On/Off)? ジョン・フルシアンテ(レッチリ)などが使用
  • MZ-2 デジタル処理なメタルサウンド

  • [1986年8月発売]
  • DD-3 現行機DD-7の発売と平行して、未だ販売される人気機種
    Noel Gallagher(Oasis)などが使用

  • [1985-1994年発売]
  • OD-2 1980年代
    OD-1の後継機となるFETの多段歪み回路が特徴、OD-2Rはターボ機能(On/Off)あり
    後藤正文(アジカン)などが使用

  • [1984年10月~1994年4月発売]
  • DF-2

  • [1983年10月-1991年10月発売]
  • HM-2 Bilinda Butcher(My Bloody Valentine)が使用?

  • [1981年発売]
  • SD-1
    OD-1に代わるオーバードライブの名機、ブースターとしても活躍
    Jonny Greenwood(Radiohead)などが使用

  • [1978年発売]
  • DS-1 カート・コバーンも使用したディストーションの名機
  • DS-2 DS-1+ターボ機能(On/Off)? ジョン・フルシアンテ(レッチリ)などが使用

  • [1977年]
  • OD-1
    BOSSのコンパクトシリーズで最初に発売されたオーバドライブの名機
    藤原 基央(BUMP OF CHICKEN)、藤巻亮太(レミオロメン)などが使用


DA-2 Adaptive Distortion [BOSS Sound Check]


FB-2 Feedbacker/Booster [BOSS Sound Check]


ML-2 Metal Core [BOSS Sound Check]


ST-2 Power Stack [BOSS Sound Check]

COMMENT 3

HIRO  2014, 01. 25 [Sat] 17:48

すばらしい考察とまとめですね♪

Edit | Reply | 

-  2015, 10. 17 [Sat] 17:01

承認待ちコメント

このコメントは管理者の承認待ちです

Edit | Reply | 

けたまん  2015, 10. 24 [Sat] 10:37

Re: 御礼

間違いを教えて戴き、ありがとうございます。

これはかなり時間を掛けて発売の経過を辿って出来ました。
その発売の経過を辿るうちにCOSM技術の裏事情が把握できた次第です。

今後ともよろしくお願いします。

Edit | Reply |