2013年第3四半期世界サーバー市場に異変!? ~クラウドで台頭する米シスコ~

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さて、こちら「2013年第2四半期世界サーバー市場:売上6.2%縮小。シスコがシェア5位に」でのサーバー市場の解説にちょっと興味津々でしたので、その後のアップデートも含めて自分なりのメモとしてご紹介です。



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サーバ市場の売上は、世界的にまだまだ景気回復とまではいっていない状況で寂しいようですね。中国は様々な先行投資の負担で、インドは高インフレにより成長鈍化など新興国の成長は頭打ちだったり、ヨーロッパもまだまだ南欧諸国等の景気低迷が強く影響しており回復には至らないなどなど。


とはいえ、素直に考えるとハードの出荷数はとんとんか増えている企業がほとんどなので、これは仮想化技術によるハードの統合化や、サーバ製品単体の性能が進化しどんどん台数は必要なくなる傾向にあるのも事実だし、ハードを持たないパブリッククラウドへと流れる企業が多くなっているのも事実だし、必ずしも不景気という理由でもないような気もしますね。

まあ、このオタク市場って規模を見ると馬鹿になりませんよ、1兆円規模の市場(2013)ですよ、ザッくり言うと。何より日本が唯一海外で圧倒的な貢献ができる文化でもあります。ちなみに、2012~2013年での国内の各市場の規模を参考ですが書いてみますと、これを見てもめちゃくちゃあり得ない位の大きな市場なのが良く分かります、というか大き過ぎます。

  • オタク市場  約1兆円
  • モバイルコンテンツ市場 8500億円
  • サーバ市場 4200億円
  • クラウド市場  2800億円
  • デジカメ市場 2000億円
  • ゲーム市場  1500億円

  • 2Q2013から3Q2013にかけての市場の様子
    サーバ市場の売上は、3期連続で減少となり3Q2013は昨年同期比3.7%減少。
    一方出荷数は前年比でとんとんということで、全体的に価格の下落が進んでいそう。

    サーバ市場のシェアに大きな変化が現れ、シスコ以外はほぼ全ベンダーがシェア減少。
    一方シスコは 2009年からの布石がやっと実を結び、クラウドや、多数のサーバ機を仮想的に1台のサーバ機であるかのように管理できる統合型アーキテクチャ UCSで勢いづき四半期毎に売上約40%増、Oracleを抜き世界市場サーバーベンダー4位に。

    UCS: Cisco Unified Computing Systemとは、コンピューティング、ネットワーキング、管理、仮想化、およびストレージ アクセスを1つの統合型アーキテクチャにまとめたもの。



Cisco overtakes IBM as top cloud hardware provider, research firm saysより


近年の大きな特徴はODM Directという新しいカテゴリの台頭で、その成長率は3Q13で前年比45%とシスコ並みに凄い。これは何かというと、Original Design Manufacturers (ODM) Direct Serversというセグメントで, クラウド・プロバイダーが準備するサーバのこと。

但し、このデータセンター向け高密度サーバはみんなにとって魅力的かというと、利益としては薄くそれ単体では魅力が薄いのも事実です。が、この分野で圧倒的なシェアを獲得しているデルのみは好調のようですね。

しかし、面白いというか、凄く素直というか、シスコのサーバ販売の狙いは、サーバー分野でのシェア拡大が最終目的ではないということ。それもそのはず、サーバーの利益率はシスコでの常識的な利益率の半分しかない。

それでもサーバを売る目的は、サーバー販売をトリガーにお客さまへコンサルティングサービスを提供しながら、他のネットワーク製品やストレージ製品も買ってもらう、それに尽きるという。まさに、昔のスーパーコンピューターの1円落札と同じ。一度参入することで、その後のサービスで元を取るという発想。

  • 2Q2013から3Q2013にかけての製品カテゴリの様子
    x86サーバーシェアは、継続してHP, DELL, IBMの独壇場。
    もっと踏み込むと大規模なデータセンター向け高密度サーバーの売上が拡大し、その一方でここ10年位市場を牽引してきたブレードサーバーの売上ダウン。
    IBMもハードウエア部門が不振の中メインフレームサーバ「System z」だけは順調とするように利益率の良いメインフレームではIBMが確実に売上を伸ばし9.9%増。

  • 2Q2013から3Q2013にかけてのOSシェアの様子
    OSではLinux 1.5%増、Windows 5.1%減、 UNIX -21.0%減。

特にUNIXは売上減少が続き、現在2013年8月迄にUNIX向けの新しいプロセッサとしては米IBMのPower8、米OracleのSparc M6、日本の富士通のSparc 64X+のみであり、サーバー全体に占めるUNIXサーバーの割合は出荷額ベースで約15%前後であり、約50%を占めるWindowsサーバーや、その次のシェアを誇るLinuxサーバーの約25%との差が年々開いている。

Top 5 Corporate Family, Worldwide Server Systems Factory Revenue

Worldwide Server Systems Factory Revenue, 3Q 2013 (Million Dollars)
Vendor 3Q13 売上 3Q13 シェア 3Q12 売上 3Q12 シェア 3Q13/3Q12 成長率
1. HP $3,390 29% $3,339 27% 2%
2. IBM $2,822 24% $3,502 28% -20%
3. Dell $1,961 17% $2,086 17% -6%
4. Cisco $599 5% $419 4% 43%
4. Oracle $494 5% $588 5% -16%
ODM Direct $783 7% $540 5% 46%
Others $2,035 17% $2,075 17% -2%
All Vendors $12,085 100% $12,559 100% -4%

Worldwide Server Systems Factory Revenue, 2Q 2013 (Million Dollars)
Vendor 2Q13 売上 2Q13 シェア 2Q12 売上 2Q12 シェア 2Q13/2Q12 成長率
1. IBM $3,311 28% $3,680 30% -10%
2. HP $3,071 26% $3,724 30% -18%
3. Dell $2,227 19% $2,020 16% 11%
4. Oracle $710 6% $753 6% -6%
5. Cisco $537 5% $376 3% 43%
Others $2,001 17% $2,088 17% -5%
All Vendors $11,857 100% $12,641 100% -7%

Worldwide Server Systems Factory Revenue, 1Q 2013 (Million Dollars)
Vendor 1Q13 売上 1Q13 シェア 1Q12 売上 1Q12 シェア 1Q13/1Q12 成長率
1. HP $2,947 27% $3,460 30% -15%
2. IBM $2,793 26% $3,224 28% -14%
3. Dell $2,028 19% $1,842 16% 11%
4. Fujitsu* $562 6% $614 6% -9%
4. Oracle* $528 5% $716 6% -27%
4. Cisco* $450 5% $334 3% 35%
Others $1,655 15% $1,627 14% -2%
All Vendors $10,936 100% $11,846 100% -8%

ちなみに、同じ市場調査会社のGartnerでもほぼ同じ状況ですが、こちら「GARTNER SAYS WORLDWIDE SERVER SHIPMENTS ROSE 1.9% IN 3Q」からは出荷台数の情報もあり面白いことが分かりました。

出荷台数で見ますとこちら「中国Huawei担当者が明かす、新注力分野"クラウド/エンタープライズ"の戦略」にあります中国Hauweiが、日本の富士通を抜いて世界第4位となっており、出荷台数ではランクに現れないCisco、Oracleも売上では中国Hauwei、日本の富士通を抜いて4位、5位になっているということで、米国企業は1台当たりの利益率が高いビジネスをしている点です。

逆に、金額ベースでは約2割しかないんですが出荷台数ベースでは約4割を占めるのがothersですが、これってつまり単価が安く薄利多売の利益率の低いビジネスを意味しますよね。で、ここら辺は誰が請け負っているかというと、そのほとんどは台湾などで、データセンターなど単価の安いサーバを大量に製造受注しているホワイトボックスのベンダなんですね、まさにothersは不毛の地域であり、ビジネス的にはあまり魅力がないセグメントです。

Worldwide: Server Vendor Revenue Estimates, 3Q13 (US$ Million)
Vender 3Q13 売上 3Q13 シェア 3Q12 売上 3Q12 シェア 3Q13-3Q12 成長率
1. HP 3405 27.6% 3331 26.4% 2.2%
2. IBM 2822 22.9% 3480 27.6% -18.9%
3. Dell 2026 16.4% 2100 16.7% -3.5%
4. Cisco 600 4.9% 420 3.3% 42.7%
5. Oracle 501 4.1% 593 4.7% -15.5%
Others 2990 24.2% 2685 21.3% 11.4%
Total 12341 100% 12606 100% -2.1%

Worldwide: Server Vendor Shipments Estimates, 3Q13 (K Units)
Vender 3Q13 出荷数 3Q13 シェア 3Q12 出荷数 3Q12 シェア 3Q13-3Q12 成長率
1. HP 670 26.7% 635 25.8% 5.4%
2. Dell 485 19.3% 565 23% -14.1%
3. IBM 202 8.1% 281 11.4% -28%
4. Huawei 70 2.8% 24 0.9% 202.1%
5. Fujitsu 69 2.7% 77 3.1% -10.1%
Others 1013 40.4% 880 35.8% 15.1%
Total 2507 100% 2459 100% 1.9%


Cisco Unified Data Center: A Path to the World of Many Clouds


Cisco and The Cloud

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