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Hermida Audio Technology社のZendrive Overdriveで用いられているN-Ch MOSFETの2N7000 2個 + ショットキー・ダイオード3本のクリッピングセットをご紹介します。

DSCN5319_R.jpg

皆さん、よくZendrive自作のダイオードは1N34aを代用していますが、実際に用いられているものは違います。もう少しクリッピング電圧の大きなこのショットキーダイオードです。私には本当は不思議でたまりません。あれだけ、コンデンサや、抵抗には拘わって紹介されているようですが、肝心の歪みを作るこのクリッピング回路は拘っていない方が多いように思います

それでいて、音に関してはZendriveと同じと仰っている方も多いです。まあ果たしてそうでしょうか?ご自分の本当の心や耳で聞いてみてください。このショットキー・ダイオードは実際のZendriveで使用されています。neon blue color(水色)が目印ですので、分かる方は分かると思います。是非ご検討下さい。

ところでもう1つの理由としては、このSTMicroelectronics社製のショットキーダイオードなかなか日本では売っていないし、見かけもしないと思います、ですので、なかなか入手できないだけなのであれば話は別ですので、アメリカより取り寄せました。こちらでお譲りしたいと思います、知ってるけどどうやって入手するか分からなかった方、拘る方、本当に音が分かる方は自作で試してはどうでしょうか?

N-Ch MOSFET 2N7000 2個          ショットキーダイオード 3個
N-Ch MOSFET 2N7000    Schottky_Diode.jpg

ちなみに、過去においてはZendriveの初期は対称クリッピングでしたのでこのショットキーダイオードは2個のみでよくなります。が、現行のZendriveは非対称クリッピングなのでこのショットキーダイオード 3個が必要です。(ただ、他の写真を見ると、どうも片一方はSchottky->?ダイオード->2N7000でした。60って見えるのでゲルマ・ダイオードだと1N60ですが、どうもショットキー・ダイオードのようにも思います。兎に角、現状確かなのは2個は絶対にこのショットキーを使い、残りの1個もこのショットキーか、他のショットキーか、1n60です。低い電圧の方が先にクリッピングされるように配置してください)このセットであればどちらでもOKです。

次に、音的なコメントです。はっきりいうと1n34aでも気持ちよく音は出ます。しかも、1n34aの方が音がストレートに塊でドォーッと出てきてくれるので、弾きやすく、分かりやすいかもしれません。適当に弾いてもそれなりの音が出るという感じです。多少ピッキングが不安定でもそれなりに音が出る感じです。分かりやすい音です。

一方、このショットキーダイオードは違います。はっきり言うと1n34aよりかなり大人しい音に感じると思います。ピッキングに応じて即座に音が素直にストレートに出てるって感じで、レンジも高域にかけて抜ける感じで、直結で弾いてる一体感があります。

本当に自分の気持ちが、微妙なピッキングの違いが音に出てしまう感じ、スィープ時やチョーキング時の音の微妙な変化が出てしまう感じ、使いこなすと本当に弾くのが楽しく感じます。また、痛い高域の奇数倍音成分が抑えられつつも、より高域への偶数倍音成分はより豊かで、より楽しく弾ける素晴らしいダイオードだと思います。

一応、データーシート上のスペックでも、クリップする電圧はこのショットキーダイオードは1n34aより若干3割~2倍程度高くなっています。さらにこれがその先にあるFETへ印加されるのですから音的にも十分影響があります。さらに、MOS FETと合わせると2.9Vでクリッピングされる計算で、CJODの1.2~2.0Vよりも高いクリッピング電圧が注目に値します。

これを見て気づかれた方もいるかと思います。だんだんとクリッピング電圧が高くなるのが歴史的な大きな流れですね。そうすると次世代にはどういう高クリッピング回路が現れるでしょうね?楽しみですね。

また応答反応もショットキーは圧倒的に速く、1n34aの30倍レスポンスがよいです。これは矩形波のエッジの形状にもろに関わりますので、これ位違うものをクリッピングに使うのですから前述のピッキングニュアンスも絶対に違ってきます、納得です。(非常に難しい話をすると、一般のダイオードは普通のPN接合なので多数キャリアと少数キャリアによって電荷を運びますが、このショットキーバリアダイオードは金属-半導体接合なので多数キャリアでしか電荷を運ばなくてもよいため高速動作が可能です。このように中で起こっている物理現象を原理的に調べてみても裏づけされています。)

P.S.
ちなみにZendriveでは、N-Ch MOSFETの2N7000は閾値電圧以上になるとS(Source)からD(Drain)とG(Gate)の方向に電流が流れるように使用します。ですので実装時にはD(Drain)とG(Gate)を束ねて接続するだけで通常のクリッピング・ダイオードの使い方と変わりません(正確に言うと違いますが、こう考えておけば接続は間違いません。本当は難しい話をするとG(Gate)-S(Source)間の電圧差に応じ大体2.5V程度を超える頃からS(Source)からD(Drain)へ電流が流れはじめます。ですのでこういう風に繋ぐとある意味ダイオードになります)。

2n7000_device.gif

各クリッピングデバイスの閾値電圧の一覧:

Ge Diode 0.2-0.3V
Schottky Diode 0.4V
Si Diode 0.5-0.6V
LED Diode 1.2~2.0V (代表的な例として、青、白は3.6V、赤、黄、緑色は1.7~2.0V)
MOS FET(2N7000) ~2.5V

各エフェクタのクリッピング電圧の概算値:

MXR Distortion+   -0.3V ~ + 0.6V  Distortion
BOSS SD-1      -0.6 ~ + 1.2V   Overdrive
Mesa Boogie      -1.8V ~ +1.8V  Distortion
CJOD          -2V ~ +2V    Overdrive
Marshall Guv'nor   -2V ~ +2V     Distortion
Zendrive(1n34代用) -2.8V ~ +3.1V   Overdrive
Zendrive        -2.9V ~ +3.3V   Overdrive


私と同じような考えの人がいますね~♪ Gibson SG? + Zendrive Cloneの組み合わせで、Schottky diodeとGermanium diodeをSWで切り替えて音を較べてる人がいました。

1:43からゲルマニウムへ切り替えていますが、"That's the clipping section switch. Germanium diode mode. The high and volume is slightly reduced with this mode.(これがクリッピング部のスイッチです。ゲルマ・ダイオード・モードです。このモードですと僅かに高域とボリュームが少なめになります)"



0:32でショットキー・ダイオード、1:04でゲルマ・ダイオード、また1:23からショットキー・ダイオードへ切り替えていますが、"(0:32) all knobs at noon. Schottky diode mode. it's slightly brighter sounding.(全てノブは12時。ショットキー・ダイオード・モード。僅かに明るめの音に)"、"(1:04) germanium mode. notice the slight bass boost.(ゲルマ・ダイオード・モード。僅かに低域がブーストされている感じに注目)"、"(1:23) back to Schottky(ショットキー・ダイオードへ戻す)"という感じ。

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これで最後になります。本当に最後です!のであとチョットの辛抱です。次はこれを応用したバンドパスフィルタです。例えば下記のような回路を見てみますと、どうも上側のライン(基準電圧側)の2つの種類によってこのように山を描くような周波数特性になってきます。

band-pass-filter.jpg
まずこの動作を簡単にいうと入力のラインと、GNDから延びる上のラインとの電圧(=基準電圧)の差をR1、R2の抵抗で決まる増幅率を掛けて出力するものです。

Google


いわゆるOverdriveやDistortionの歪みを作る大事な部分ですね。要は両者の電圧の差が大きいほど大きな出力を出す(=歪む)回路な訳です。直流で言うと出力はR2/R1に比例した出力になると思ってください。

クリッピング回路の種類について (更新)
エフェクタの回路設計について(1)
エフェクタの回路設計について(2)
エフェクタの回路設計について(3)

例1: 赤の円の回路はGNDに逃がす役割をする回路になります。つまり高い周波数である程、抵抗R1が小さければ小さいほど、コンデンサC1はドンドンと電圧を通すため、GNDにジャンジャン逃げていきます。

そうするとどうなるでしょう?入力電圧との差が大きくなるので出力は大きくなります。一方、低い周波数になるとコンデンサC1は電圧を通さないため蓄積され基準電圧はドンドンと入力の電圧に近くなってきます。ですので最後には入力との差がなくなってしまい、最終的には出力がなくなってしまいます。

例2: 青の円の回路はゲインを決める最終的な抵抗を決める回路です。つまり小さい周波数だとコンデンサは交流電圧を通さないのでゲインを決める最終的な抵抗は抵抗R2になります。

しかし、高い周波数である程コンデンサC2は交流電圧を通すようになり、交流電圧から見るとゲインを決める最終的な抵抗は抵抗R2の値よりはずっと低くなります(だって交流電圧は通るんだから極端な話抵抗は0)。

ですので周波数が高くなるほど、ゲインを決める最終的な抵抗は低くなるためゲインも低くなり(増幅率R2/R1を乗じた値が出力されますので、R2がそのうちゼロになると)出力もそのうちなくなります。

【ご参考】
大体の定数の目安です。この感覚もあれば定数決めの時に結構役立ちます。これで分かるのは大体は0.0xuf以上ですね。それ以下のものは大雑把に言うと、ノイズ除去か、フィードバック系での安定化か、まあそれ位です。

DC~十数MHz        ~0.1uf
十数MHz~百数十MHz  0.01uf
百数十MHz~数百十MHz 0.001uf(1000pf)
十数MHz~百数十MHz  100pf(0.0001uf)

特にパスコンを入れる場合には大きくなります。パスコンは以下の2通りあって

1) 回路ブロック毎に入れる
2) デバイスの直近に入れる

さらに電源系では大きくなり、例えばある電源周りの電流変動が20mA、その期間が100usとすると、許容する電圧変動を10mVにします。すると、その時に必要な電源のコンデンサー容量は

C = Δi×Δτ / ΔV = [ 20・10^-3 × 100・10^-6 ]/[ 10・10^-3 ] = 200uf

位ないといけない計算になります。まあ、こういう風にして本来は適当ではなく設計上の計算をして決めるんですが、大体エフェクタは100~220uf位になりますかね。

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